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7270 中村 拓馬 テキスト批評でも同様に社会的ジレンマが現在の社会問題の根底原因となっていることを示してきた、今回はその自明となった事実を踏まえたうえで、これからの国際問題に対する解決策について考察していくことにする。 前回の私のテキスト批評で「社会的ジレンマ=現在の社会問題の根底原因」ということが明らかになった。しかしこの事実が明らかになったからといって、現在の社会問題が解決するわけではないことはあたりまえのことである。ここで私は、さらに疑問を抱いた。いったいどのようにしたら、現在の社会問題を解決することができるのか、またどのようにしたら少しでも解決の道に向かわせることができるのだろうか、今回はテーマを「解決」としてたて、具体的かつ現実的な解決策を見出すという論の進め方をとることにする。 (第一章)参考文献の著者は常に、国際問題や環境問題などの根底には社会問題が潜んでいるとのべている。そもそも社会的ジレンマとは個人の利己的な利益追求が,社会的コストを発生させ,社会全体を壊滅的な状況に陥れる事態のことをさしている。二酸化炭素ガスによる温室効果,フロンガスによるオゾン層の破壊,自動車の排気ガスによる空気の汚染がこのタイプの具体的かつ典型的な例としてあげられる。人間は個人個人が自分たちの利益を追求し(ビル建設のための森林伐採など)、それによって温暖化という社会的にはマイナスになる現象が生じてしまっている。ひとりが私的利益の最大化を図ろうとしても、最大の私的利益を得るには相手の行動が大きく影響してしまう場合をさしている。よってこの場合は私的利益を求めるだけでは、最大の利益を得ることはできず、互いに協力しあう(協力行動)ことが必須となる。の環境問題、国際問題を解決するには人々が己の利益ばかりを追求することなく、世界単位で協力行動をとり、社会的利益を高めることが非常に重要であると感じる。 (第二章)社会的ジレンマ解決に対して世界的協力行動をとるといっても、て、公的機関が具体的な政策をうちだす必要がある。公的機関が政策を打ち出すというのは、すなわち、その国の人々が協力行動を積極的に行うようになるための構造をつくるということである。これを構造的攻略といい、これによって、協力行動をすべきであるという社会的規範を強化することも可能になる。 さらに構造的攻略では万人にたいし協力行動を促すことが可能になる。たとえば現在の道路交通法をとってみても、明確に構造的攻略が見えてくる、ある道の法定速度は40kmであるが、ある特定の人がこの道を60kmで走れば重要な会議に間に合う(個人的利益)。しかし、その行動を現実にとってしまえば交通秩序が乱れてしまい、他の人々に迷惑がかかってしまう(社会的損害)。 このような状況を回避するために、道路交通法を違反した場合に罰金を課す(構造的方略)ことによって人々の個人的意思に規制をし、協力行動をさせるようにしている。 (第三章)前章で説明した構造的方略ではデメリットがしょうじてしまうことも事実である。構造的方略を実施することによって、人々がジレンマ状況を倫理問題としてではなく、取引問題としてしか捉えなくなることや、自主的な協力動機を低減させてしまうことが挙げられる。このようなことから、構造的方略だけでは社会的ジレンマを解決することは不可能であると考えられる。ここで必要になるのは心理的方略である。この主な方法としては「協力経験の誘発」が挙げられる。理想の協力行動を明示することで、自らの協力行動がどのくらいのレベルかを明らかにし、ひとりの協力行動が全体の社会的利益、また長い目で見れば個人的利益にもつながることを明確にするのである。実際この心理的方略においても公的機関の援助が必要になってくるのは分かるであろう。 人々に、協力行動をとることで得られる幸福を明確に提示することが公的機関の役割といえる。 これから国際問題、社会問題を理解し、解決していくうえで、ジレンマの本質的意味を理解することはもっとも重要、そしてもっとも基本的な部分である。ジレンマのほとんどが不特定多数の人間によって発生しており、それは、大衆が支配権をもつような社会において起こりやすい問題の根本原因となっている。現代社会において、大衆という多数グループが政治、経済の大きな柱となっていることは自明な事実である。したがって、この現代社会でおきる政治問題、経済問題では多数グループである大衆が大きく関与している。これにより、現代の社会問題の根本原因にあるのは大衆たち個々人の利害対立であることがわかる。結論として、現代社会における問題の根本原因に「社会的ジレンマ」が存在しており、ジレンマに対し私たちが真摯に向き合うことが最も重要なことだといえる。真摯に向き合うということは、個人個人が社会的利益を獲得するために社会のために協力行動をするということである。ここで重要になってくるのは、公的機関、いわゆる政府や地方自治体が、「協力行動をすれば将来私たちの国、または、町にこんないいことがある」といったようなことを明確に示す「心理的方略」や、罰金制度などの法的拘束による「構造的方略」を施行していくことである。この「心理的方略」、「構造的方略」の適度なバランスを公的機関と個人が一体となって維持することで、社会的ジレンマは解決に向かうのである。 <参考文献>社会的ジレンマの処方箋 著:藤井聡 ナカニシヤ出版 |